十中一句 ~赤坂暮らし~

赤坂に似合わない赤坂の住人。独自の視点からもののあはれを書き綴ります。

夜景

 多分、赤坂で生活を楽しむには、私の数倍の収入が必要だろう。だが私はここにいる。楽しむためではなく、奉仕するためにこの地に来たからだろう。奉仕……そんな言葉が自分の口から出るのは似合わないことは知っている。金持ちでもなければ、官僚でもなく政治家でもなく起業家でもない。情報屋でもなければフィクサーでもない。
 
 道を歩けば、大臣や副大臣、(自分の)地元政治家を目にすることも多い。そんなとき、政治姿勢で相手を値踏みすることはほとんどないのが自分でもやや不思議だ。見ているのは表情。挨拶をしたときの反応。週刊誌報道でバッシングを受けた現役・元議員でも、通りすがりの一人として「こんにちは」とあいさつしたときに、意外にも人懐こくやさしい反応の政治家が少なくないことは、いとおかし。

 形から入るほうではないのだが、道路を渡ろうとしたときも高級車がすっと止まってくれる。買い物をしていても、押しのけてくるような人はいない。道路ですれ違うときに、こちらを目指してぶつかってくるような人もまずいない。身のこなしのきれいな人が多い、赤坂が私は好きだ。
 

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